・第3回目のセミナーを、リモート開催で行いました。参加者は外部の方を含めて全33名でした。
・西垣先生の挨拶、珠玖先生による演者一井康二先生の講師紹介の後、「地震応答解析におけるV&Vの取り組み」と題する講演がありました。講演の途中に質問が幾度となく入る熱く、ボリュームのある講演でした。それらの概要は下記のとおりです。
・報告会・講演内容に関する感想や、質問等は下段伝言板に投稿できます。セミナー参加者以外の方も自由にどうぞ!
2021年度 第3回岡山地域セミナー 講演会概説&解説
「地震応答解析におけるV&Vの取り組み」一井康二先生(関西大学)

兵庫県南部地震・阪神淡路大震災とその後の東日本大震災を経て、従来の安全性評価だけでなく性能設計が求められるようになり、さらに想定外における構造物に「危機耐性」が求められるようになった。地盤や構造物が地震時にどのような挙動を示すかを評価する地震応答解析では、数理モデル化における計算機プログラムのコード検証(Code Verification)と、入力データに対して所定の出力結果が得られているかどうかの解析検証(Calculation Verification)が必要となる。加えて最終的な計算結果に、再現性や利用目的に即した予測性能を満たしているかの妥当性確認(Validation)が必要となる。
通常の標準的な考え方で得られる結果で問題は無くても、外挿する場合には結果が異なることが予想される。そのためこのようなV&V(Verificatio&Validatio)の考え方は、一般的な事象にも有効な対処方法であると感じた。(以上、小林の私的概説)

[ 講演会の解説 ]西村先生
本講演会では,港湾構造物の耐震設計で,標準的に使用されている液状化解析用有限要素法プログラムFlipの紹介を中心に,最近の耐震解析の話題について議論がなされた.Flipは,Multi-spring modelという比較的単純な構成モデルを用いているが,それでも,多くの解析パラメータが必要である.Flipのみならず,多くの解析コードは精緻な解析を目指すほど,パラメータの調整,有限要素モデル化,境界条件の設定などに関連して不確定要因が増大する傾向がある.そこで,近年,解析結果の信頼性の担保を目指して,Verification and Validation (V&V)という概念が導入されつつある.これは,アメリカ機械学会(ASME)が提唱したものであるが,この概念が,土木分野にも取り入れられつつある.本講演会では,Flipに関して,V&Vの検討結果が例示された.
伝 言 板 ( 報告会・講演会に対する感想・質問等を自由に投稿して下さい! )
西村先生の解説、専門分野の技術的なトレンドが記されており、実務面で解らないなりに納得!です。
他の聴講者の方々、投稿を期待しています。