・第1回現地見学会「微動アレイ探査」を受けて、その報告会を第3回目のセミナーとして、オンラインのリモート開催で行いました。参加者は全30名と盛況で、その概要は下記のとおりです。
・報告会に関する感想や、質問等は下段伝言板に投稿できます。セミナー参加者以外の方も自由にどうぞ!
2022年度 第3回岡山地域セミナー 報告会概説
半田山で実施した「微動アレイ探査」の結果報告の紹介、講師:小西千里様、根本雅夫様 応用地質株式会社

リモートオンラインでの報告会の状況は右のとおりです。西垣先生の開会挨拶の後、主に小西千里様および根本雅夫様(応用地質株式会社技術本部研究開発センター、以下O社)によって、現場測定作業、解析原理、解析結果、地盤性状との対比等の説明がありました。

報告会では微動アレー探査結果を理解するために、先ず一般的な人工起震源による表面波(レイリー波)探査の解析原理の紹介がありました。右図(O社研究資料引用編集)に示したように、そこでは表面波を連続的に観測し、そのデータを解析することで、表面波の分散特性(周波数と位相速度との関係)を明らかにし、それを逆解析することで分散曲線を求め、その分散曲線にフィットした鉛直方向のS波1次元構造を試行錯誤で求めるというものです。

上記表面波探査の解析原理を元に微動アレー探査を行うが、異なるのは人工の起振を行わず無限方向からの自然状態の地盤振動を観測することである。震源が分かっている1方向での解析をどう扱って無限方向での表面波探査の解析に活かせるかの説明は、拙い知見では無理があるので割愛する。実際のデータ取得例を右図に掲げておく。
最終的な成果として、各測点毎の1次元S波断面を水平方向に並べて断面図に展開した図と、それを平面図に展開貼り付けした図面を下記に掲載する。


今回の微動アレー探査結果を踏まえると、以下のように対応できよう。やや低速度の層(緑色付近S波速度200m~250m)が斜面中下方の表層に分布しており、この層は締まった2次堆積の崖錐堆積物であり、中上方にやや薄く分布する低速度層は残積土性の風化土であると想定される。中間斜面に露岩が出現しており、その周囲では低速度層は薄くほとんど無い状態であり、ほぼ整合している。
今後中下方斜面の低速度層分布域と、中間斜面の低速度層が薄い箇所を代表として、解析結果のチェックのために貫入試験を計画しており、その成果で微動アレイ探査結果を検証することになると思います。
※なお報告会で説明して頂いた小西千里様および根本雅夫様からプレゼン用の報告資料を送付頂けたなら、可能な範囲で掲載致します。
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結局のところ表面波探査の原理は消化不良のまま、腰砕けの解説になってしまいました。